高葛藤ケースとペアレンティング・コーディネーター

米国では高葛藤カップルが裁判所で養育計画について合意に達したにも関わらず何度も裁判所に戻って争い続ける弊害を解決するために、ペアレンティング・コーディネーターという制度が作られたことは知っておりましたが、そうした職種のためのワークショップに参加したのは今回が初めてでしたのでとても興味深かったです。

参加者は弁護士とメンタルヘルスの専門家が半々ぐらいでした。

4つの高葛藤ケースを紹介し、それぞれのケースにおいて留意すべき点についてフロアとのやりとりを交わしながら議論を深めていくというアプローチがとられ、一方的な講義でなくいかにもアメリカ的であると感じました。

一つ目のケースは高葛藤カップル間での2-2-5-5(母親が月、火、父親が水、木、週末は金、土、日を1週間交代、つまり母親の週は金、土、日、月、火の5日連続、父親の週は、水、木、金、土、日の5日連続になり2日-2日-5日-5日の繰り返しになっていく。)での共同養育ケースでした。

このカップルは監護についての取り決めがなされた後も、祭日や休暇のスケジュールや子どもの課外活動について、また元夫が一緒に暮らすガールフレンドが子どもたちの世話をすることに関して争い続け、すぐにお互いを非難し合い、裁判所命令に違反するということを繰り返したためにペアレンティング・コーディネーターが任命されました。

このように高葛藤ケースでもフィフティー・フィフティの共同養育の取り決めがなされているところがまず日本の実情と比べるときあまりにも違うので驚きでした。(2013.9.26.)