面会交流を成功させる秘訣―パラレル・ペアレンティングの勧め

先日の緊急入院以来、貧血の薬である鉄剤を毎日飲まねばならなくなってしまい、そのうちに副作用が出てきて、胃のムカムカ感が続き、食欲が落ちてしまい、それとともに体力・気力もなくなり、どうしてもブログを書く力が湧いてこない日が続いておりました。明日は退院2週間後の抜糸のために病院を受診してくる予定です。いろいろと現在の体調について相談してくる予定です。

今日は、久しぶりにこうしてブログに向かうことができております。

今日は、面会交流を成功させる秘訣としての「パラレル・ペアレンティング」について書いてみたいと思います。

米国における定評あるマコービィとムヌーキンによる調査結果によれば、離婚した元夫婦の関係性は別居後3年半の時点で協力的であったのは30%弱であり、5年半経った時点でもその割合は30%弱とほとんど変化がなかったのに対して、無関与的な関係性(パラレル・ペアレンティング)と対立的な関係性には変化が見られたことが報告されています。つまり、3年半の時点で無関与的な関係性(パラレル・ペアレンティング)を持っていた人たちは50%弱でしたが、5年半後にはその割合は65%に増え、また対立的な関係性は25%から10%余に減り、代わって無関与的な関係性(パラレル・ペアレンティング)に移行したといわれています。

離婚後に元夫婦間の対立的な関係性に子どもを巻き込むことの弊害は非常に大きいとの認識に変わりはありませんが、米国の最近の調査によれば、離婚後の「無関与的な養育(パラレル・ペアレンティング)」は子どもにとって「協力的な養育」に決して劣ることはないとの結果が報告されています。

そうであるとすれば、離婚後に面会交流を成功させていくためには、できるだけそれぞれの親が他方の親の子育てに口を出さずに、自分と子どもとの間に良い関係を築くことにそのエネルギーを集中させていくことが大事であるということがいえます。そのためには、お互いに連絡帳で連絡しあうときにも、必要最小限の連絡に止めることが良いのではなかろうかと思います。お互いの生々しい感情を刺激しないためにも。

葛藤の未だに強い元夫婦間での面会交流を実現していくのを援助するペアレンティング・コーディネーター的な仕事を昨年の9月以来してきましたが、その過程でもそのことを痛感します。

例えば、子どもが面会交流にやってきた時に、髪型や服装などが汚かったり、あるいは風邪をよく引いていたり、あるいは長時間、保育所に預けられているなどすると、その点をコーディネーターの口から相手方に注意してほしいとか、あるいは面会交流中に床屋に連れて行ってもいいか聞いてほしいといったような要望を受けることがあります。

こうした細かい点に口を出されておもしろい親はいません。ですのでこうした相手方の子どもの養育方法には多少気になることがあっても口を出さないというのが「パラレル・ペアレンティング」であり、それが離婚後の面会交流を成功させていく秘訣であると思います。