親子断絶防止法制定を求める院内集会(3)

実は、7日(金)に11月と同様の胸の痛みを感じ、国際医療センターを受診したところ、またまた「気胸」と診断され緊急入院中です。前回は右肺でしたが、今回は左肺です。肺がどうも弱ってしまっているようです。幸い今のところ治療した右肺はしっかり活動してくれています。今日で入院生活5日目になります。前回は16日も入院しておりましたが、今回はもっと早く退院したいものと願っております。

今日は、子どもの「連れ去り」が子どもにとってなぜトラウマ体験であるのかについて考えていきたいと思います。

まず一つ目は、その根こそぎ体験トラウマ性があります。ある日突然に片親(多くの場合母親)によって長年住み慣れた環境から、見知らぬ土地へと連れて行かれるわけです。他方の親に別れを告げることもなく、親しい友人に別れを告げることもなく、学校の先生や可愛がってくれた祖父母そして近所の人たちにも別れを告げることなく、なぜ逃げるようにして去っていかねばならないのか・・・・。子どもにはとても理解できません。この根こそぎ体験というのは、「継続性の原則」最も反する体験であり、別居・離婚に際して、子どもに与える傷を出来るだけ少なくしたいと願う親であるなら最も避けなくてはいけないことです。その意味で、そうした体験を子どもに敢えてさせるということを選択すること自体が「心理的虐待」に当たる行為だと私は思っています。

2つ目は、こうした連れ去りは、結果として「片親疎外」を生み出してしまいます。片親疎外とは、虐待されていたなどといった正当な理由がないにもかかわらず子どもが別居親との接触をあからさまに拒否することです。同居中に良い親子関係があったにもかかわらず、まるで「悪の権化」でもあるかのように全く罪の意識もなく別居親を拒否するのです。中には「悪魔!」「怪獣!」「死ね!」「消えろ!」とののしる言葉を浴びせる子どももいます。こうした行為は、もちろん別居親をひどく傷つけ、悲しませるわけですが、それと同時に必ず自分自身を否定することに繋がります。その結果、基本的信頼感を失わせ、自己肯定感を低めてしまい、「どうせ自分なんてろくな人間にならない」「生まれてこなければ良かった」と思うようになってしまいます。この「片親疎外」の結果として自分自身が生きるに値しないと思うようになってしまう。これが「連れ去り」の2つ目のトラウマ性だと私は思います。

こうしたトラウマ体験をした子どもたちは、離婚の傷を長く引きずり、大きくなるにつれて、不登校、ひきこもり、学業不振、自傷行為、摂食障害、万引き、非行などといったさまざまな不適応行為に至ってしまうリスクが高いと言われています。