高葛藤カップルに介入して葛藤を低める役割を果たすペアレンティング・コーディネーターが目指すのは、協力的なカップルになってもらうことではなくて、パラレル・ペアレンティング(並行養育)ができるカップルになってもらうことであるというのが印象に残りました。
離婚後の共同養育のタイプには、協力型(25%)、葛藤型(15-20%)、パラレル型(40%)、混合型(15-20%)の4タイプがあり、子どもにとってパラレル型共同養育は協力型とほとんど同じぐらいうまくいくと報告されていました。
パラレル型共同養育をする場合でも全くコミュニケーションをとらないというのではなくて、子どもに焦点を当てて、ビズネスライクに最低限のコミュニケーションはとっていく必要があることが強調されていました。その際に直接電話で話すのではなくてEメールの利用が勧められていました。
高葛藤カップルの場合には、ペアレンティング・コーディネーターにまずメールをチェックしてもらって、感情的な部分を削除し、ビズネスライクに書き直してから送るということもパラレル型に移行していく上での訓練として必要なことだということでした。
日本でもビジテーション・サポートを受けている当事者の場合にも、直接メールを送り合うと感情的になるので、サポートセンターにまず送り、そこでビズネスライクに書き換えてもらってから相手方に送ってもらうという形をとっている当事者がおられますが、同じ工夫だと思います。ですが仲介者から卒業していくためには、仲介者に指摘してもらって自分でビズネスライクなメールを書く訓練をしていく必要があると思います。(2013.9.26.)