親子断絶防止法制定を求める院内集会(1)

しばらく講演が続き、その準備もあり、忙しくてブログを書く時間がとれなくなってしまっていました。またブログを定期的に書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

2月20日に衆議院第一議員会館の地下1階の大会議室で開かれた「親子断絶防止法制定を求めての院内集会」に講師として参加しましたので、そのご報告をこれから何度かに渡ってさせてもらいたいと思います。私のいただいた演題は「連れ去りや離婚と子どもの最善の利益」であり、30分間の発言の後に、来賓として参加された保岡興治衆議院議員、馳浩衆議院議員、富田茂之衆議院議員、泉健太衆議院議員らから質問をいただき私が応えるという形でした。

2組に1組が離婚に至るという世界で最も離婚率の高い米国は、離婚後の制度もまた世界で最も進んでいます。その背景には、幼くして両親の離婚に巻き込まれた子どもの健全な成長を支えていくことは社会の責任であるとの強い認識があるのだと私は思っています。なぜなら、未来を担う子どもたちの健全な成長は社会の基盤を作るものだからです。そしてここ20年ぐらいの間における米国における最も大きな変化は、離婚に関わる裁判官、弁護士、調停員などの専門家が離婚後の共同親権が子どもにとって恩恵があることを心から納得してきたことであるといわれています。

ここでこの共同親権について誤解されることがあるので触れておきたいと思いますが、この「共同親権」は子どもの教育、医療、宗教、課外活動など大きな問題に両親が関わっていく権利であり、責任です。日々の子どもの生活の世話まで共同でするものではありません。最近は、分野別に両親間で責任者を決めることが多くなってきているようです。例えば、教育と宗教分野は父親が、医療と課外活動分野は母親が最終決定権を持つといったように。これは両親間で合意ができずに争いが長引くことを回避する工夫だといわれています。

いずれにしろ、離婚後も両親が子どもに対して親権を持ち続けることは、「離婚しても両親が子どもに対して権利をもつとともに責任があるということを象徴的に明示する」という意味で子どもにとって大きな恩恵があるということが米国社会では真に認識されてきたといえます。

上記の「親子断絶防止法制定を求めての院内集会」で、親子断絶防止法制定に向けて、3月中には「議員連盟」が設立されることが発表されました。その際、会長には当日来賓として参加された保岡興治衆議院議員、事務局長には馳浩衆議院議員がその任につかれるとの発表もありました。

またお二人ともその来賓挨拶の中で、将来的に目指しているところは「共同親権」であると明言されました。私も30分間の講演の中で同じ思いを表明しました。しかし、現在の単独親権制から共同親権制に変えるためには民法改正が必要であり、時間がかかるために、今回は、議員立法で対応できる範囲内の「親子断絶」を防止する法改正を目指すという点で一致しております。